異世界トリップした直後の三毛縞くんについて

・トリップ直後

　絶賛大混乱中。気が付いたら雨ざばざばふっている森の中っていう時点で混乱するに十分な上、本来の19歳時点での体格ではありえない目線と明らかに不調を訴える身体のトリプルコンボで大混乱。

「というか鉄柱なだれ込んできたのに何で意識があるのかなあ！」

　実はこの時点で身体がこの世界への適応が済んでおらず、三毛縞の体調不良はこれが原因。もともとはマナなんて不思議エネルギー存在しない世界の身体であるが故に、身体の仕組みを「こちら側」仕様にする必要があった。この組み換えの過程で高熱や意識の混濁などの、いわゆる性質の悪い風邪のような症状が出てしまったというわけです。

　風邪とはなかなか判別つきにくいため、凪渡もびっくり仰天で看病していました。ちなみに春斗とメアリーだったら即気づいていた。この辺は経験の差です。凪渡はよくトリップした人間を見ていますが、様々な症例を見慣れているわけでも魔法や魔術、人体の解析になれているわけではありませんので。

「腕があるだけのポンコツね」「チートの上に胡坐をかくとこうなるってこった」「俺に対して当たりが強くないか……？」